誤嚥性肺炎の症状と治療の薬や期間と治療方法は?
高齢者に最も多い肺炎が誤嚥性肺炎です。
食べたものなどが、食道ではなく気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。
誤嚥により、細菌が肺に入って感染症をおこし、
肺炎になってしまうのが誤嚥性肺炎です。
今回は、その症状と治療について調べたことをまとめてみます。
スポンサーリンク
誤嚥性肺炎の症状
基本的には、通常の肺炎と同じような症状が現れます。
しかし、誤嚥性肺炎になるのはせき反射の低下した高齢者が多いため、
咳が出ないこともあります。
また、発熱もみられないケースがあるため、
肺炎と気づかずに悪化してしまうことがあります。
誤嚥性肺炎の初期症状には、食欲不振や全身倦怠感があります。
嚥下障害があったり、寝たきりのお年寄りが普段よりも
元気がない、食欲がない、という時には
誤嚥から肺炎を起こしているかもしれないと考えて、
早期に医師の診断を受ける必要があります。
誤嚥性肺炎の治療薬
誤嚥性肺炎の投薬治療は目的に応じて大きく2種類に分けられます。
急性期には、肺炎の原因である細菌に対しての抗菌薬の投与が選択されます。
安定期には、誤嚥を繰り返すことのないように、
嚥下機能改善を目的とした投薬が選択されます。
誤嚥性肺炎の原因菌として
・黄色ブドウ球菌
・緑膿菌
・肺炎球菌
・嫌気性菌
・インフルエンザ菌
などがあげられます。
それに対し効果のある抗菌薬が用いられます。
抗菌薬の選択は初回入院かどうか、また軽症、重症の別によります。
誤嚥性肺炎による初回入院の場合は
β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬(ユナシン-S静注用など)
から開始されます。
重症化が懸念される場合はカルバペネム系抗菌薬(カルベニン点滴用など)
が用いられることもあるようです。
安定期に用いられる嚥下機能改善のための薬には、
タナトリル錠、シンメトレル錠といった、ACE阻害薬が用いられます。
誤嚥性肺炎の症状と治療期間
誤嚥性肺炎になっても、初回入院で、軽症であり、
抗菌薬の効果があれば通常の肺炎と同様に1週間程度で退院することが出来ます。
ただし、誤嚥性肺炎を起こす高齢者には嚥下機能の低下をはじめ、
基礎疾患を抱えている患者が多いため、
治療期間が延びるケースも少なくありません。
また、誤嚥性肺炎は繰り返すことによって、
抗菌薬に耐性のある菌が出来てしまうことがあります。
そうなると、安静にし、抵抗力をつけ自己免疫で治すしかなく、
治療期間も長くなっていってしまいます。
誤嚥性肺炎の治療方法
このように、誤嚥性肺炎は初期であれば治療できる病気ですが、
繰り返すことによって重症化したり長引いたりしてしまう病気だとわかりました。
そのため、誤嚥性肺炎の治療方法は、早期に発見することと、
誤嚥そのものを起こさないように日ごろから気を付けること、
また、丁寧な口腔ケアによって原因菌を口腔内に溜めないことが重要といえます。
スポンサーリンク
関連記事
-
-
幼児の肺炎はうつる? 潜伏期間や確率と感染経路や治療法は
幼児に流行している肺炎はうつるのか? この頃、幼稚園や小学校などでうつる肺炎が流行していると聞
-
-
リウマチで間質性肺炎併発の余命は?治療や機序、予後は急性増悪の場合では?
膠原病の中でも治療が難しい病気の関節リウマチは、関節だけでなく全身に及ぶ病気です。 関節リウ
-
-
誤嚥性肺炎の症状と看護計画や観察項目、看護問題や過程について
日本人の死因の上位に位置する肺炎ですが、 中でも高齢者に多い誤嚥性肺炎について、 どのような点に
-
-
間質性肺炎の治療で抗生剤が効かない時は?急性増悪でも禁忌の薬は?
他の肺炎と異なり、原因がはっきりとしない、間質性肺炎という病気があります。 肺が硬化して呼吸
-
-
リウマチで間質性肺炎の症状、治療や機序と予後はどうなる?
リウマチの患者さんの1~3割の方が、間質性肺炎を合併して発症しているという報告があります。
-
-
肺炎の症状は感染するか?感染経路と予防はや家族の潜伏期間とリスク
肺炎の症状は感染するか? 肺炎とは、肺の組織が炎症を起こす病気で、肺まで侵入した病原体から感染
-
-
肺炎の症状で大人は熱なしや出ない、熱型が上がったり下がったりが続く期間も
熱と咳がなかなか治まらない時は、肺炎の可能性があります。 ただ、肺炎の時には必ずしも高熱が出
-
-
マイコプラズマ肺炎の症状と感染の経路は?期間と対策の予防法
マイコプラズマ肺炎は、一般的には飛沫感染して2~3週間の潜伏期間を経てから発熱し、その後に乾いた咳が
-
-
マイコプラズマ肺炎、子供の保育園は出席停止か欠席か?入院後の登園はいつから?
マイコプラズマ肺炎にもし子供が感染した場合は、症状が軽くても保育園や幼稚園に行かせてしまうと、周囲に
-
-
子供の肺炎はうつる? 潜伏期間と確率は?合併症や治療法について
子供の肺炎はうつるの? 子供がかかる肺炎の中で、 この頃一番多く見られるマイコプラズマ肺炎は