急性骨髄性白血病移植後の間質性肺炎、余命はどうなる?
急性骨髄性白血病の原因は?
急性骨髄性白血病は一般的に「血液のがん」と呼ばれている怖い病気です。
血液の中には血液細胞(白血球、赤血球、血小板)があります。
その素の細胞である造血幹細胞から血液細胞へと成熟する途中に、細胞ががん化すると白血病になるのです。
白血球の中には主にウィルスを攻撃する役割の「リンパ球」というものがありますが、この「リンパ球」になる予定だった細胞ががん化したのが、急性リンパ性白血病で、それ以外の細胞ががん化したのが急性骨髄性白血病というものです。
原因は不明ですが、放射線や抗がん剤などの化学物質が原因と考えられる症例もあります。
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抗がん剤の副作用で間質性肺炎、余命は?
急性骨髄性白血病の主な治療方法は、抗がん剤による化学療法です。
白血病は他のがんに比べると抗がん剤がとてもよく効くといわれているので、うまくいけば治る可能性もありますが、あまり効果がみられない場合は進行が早く、余命も短くなってしまうことがあります。
副作用には嘔吐、吐き気、脱毛、心不全、間質性肺炎、感染症などがあります。
抗がん剤の投与により正常な白血球や血小板が少なくなっていますから、感染症と出血が命取りになり、余命を縮めてしまうことになりかねません。
また治療に使用する放射線も、間質性肺炎の原因となることもあります。
感染症は肺炎や敗血症、出血は脳や肺の出血が怖い合併症になります。
敗血症ショックを起こした時、脳や肺に出血があった場合は急変して数時間で死亡してしまうこともあります。
急性白血病の化学療法は高度の骨髄抑制をきたし、白血球が非常に少なくなる時期があります。
この時期が合併症を引き起こしやすい時期ですから、十分に注意しなければなりません。
急性骨髄性白血病移植後にも間質性肺炎の恐れ?
その他の治療方法に「造血幹細胞移植」があります。
これは、患者さんの血液の中の白血病細胞を死滅させるための治療を最大限おこなってから、健康な提供者あるいは自分自身の骨髄から白血病細胞を除いた幹細胞を移植するものです。
造血幹細胞移植の中には「骨髄移植」「末梢血幹細胞移植」「臍帯血移植」があります。
移植の前に、白血病細胞を死滅させるための治療をしますが、その際は正常な血液細胞までも併せて死滅させる程の強力な抗がん剤治療や、放射線治療を行います。
そのあとに幹細胞が点滴のチューブから移植されます。幹細胞が患者さんの体の中になじむように免疫抑制剤が使われますから、感染症の危険をともなうことになります。
ですから患者さんは、無菌室で治療にあたることになります。
うまくいけば、急性骨髄性白血病移植後2~3週間で健康な血液細胞が増えてきます。
しかし、この治療にも副作用や合併症があり、間質性肺炎も含まれているので、治療中はもちろん急性骨髄性白血病移植後も十分に注意が必要です。
一般に、初めの治療の効果がない場合や再発した場合は、その後の治療は難しく、予後は厳しいものとなるといわれています。
化学療法も移植も必ず効くという保証はありませんが、早期発見、早期治療がとても大事です。
もし気になる症状があれば、すぐに医師に相談しましょう。
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