間質性肺炎の症状、イレッサの機序や頻度、時期はいつ頃から?
抗がん剤や抗生剤、漢方薬でも起こる可能性があるのが薬剤性肺障害で、この中には間質性肺炎も含まれます。
抗がん剤イレッサによる薬剤性間質性肺炎は特によく知られていますね。
肺がんの治療のために飲んだ薬で間質性肺炎を起こし、死亡した人も少なくありませんでした。
イレッサなどで間質性肺炎の症状が起こる機序や頻度などについてご説明していきます。
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薬による間質性肺炎の発症機序や時期
薬によって起こる間質性肺炎には大きく2つの機序があります。
まず1つは、ある種の抗がん剤などのように、細胞を直接傷つける薬剤によって肺の細胞自体が傷つけられるもので、薬剤を使用してから数週間~数年の時期をかけてゆっくり発症するものです。
もう1つは、薬に対する一種のアレルギーのような免疫反応が原因となるもので、
多くは、医薬品の使用後1~2週間程度で発症するものです。
多くの種類の薬剤(抗生剤、抗不整脈剤、漢方薬の一部など)がこのタイプとされていますが、 ゲフィチニブ(イレッサ)のように発症機序がよく分かっていないものもあります。
薬剤性間質性肺炎の症状と注意点
他の間質性肺炎と症状は同じで空咳(からせき)、息切れ、呼吸困難、発熱などですが、もともと肺がんの治療を行っている中での症状ですから、気づくのが遅くなることも少なくありません。
少しでもいつもと違うと思われるときにはすぐに医師に相談しましょう。
重篤な場合は死に至ることもあります。
この薬剤性間質性肺炎は薬剤の投与による肺障害ですが、感染症、心不全がん性リンパ管症、放射線肺臓炎などとしっかり鑑別する必要があります。
また、もともと間質性肺炎や肺線維症がある場合は、薬剤性肺障害が起こりやすく、合併している場合は使用を禁忌もしくは慎重にするように注意を促してあります。
イレッサなどによる間質性肺炎の発症頻度は?
副作用による間質性肺炎は、イレッサという薬剤によって起こることはよく知られていますが、他のすべての薬剤により起こる可能性はあると考えた方がいいでしょう。
副作用の頻度はごくわずかでも、どんな医薬品にもイレッサによる副作用のような致死的な副作用を起こす可能性はあります。
軽度ならば、投与を中止するだけで改善することがあります。
重症の場合はステロイド治療が有効で、酸素療法と呼吸管理や感染症予防を並行して行うことがあります。
よくあらわれる副作用は、発疹、かゆみ、皮膚の乾燥や亀裂、下痢、肝機能障害(血液検査値の異常・倦怠感・食欲不振など)などで、続いて爪の異常、吐き気・嘔吐、口内炎など、その他頻度は低いですが、脱毛、皮下出血、皮膚血管の炎症(あざや点状の出血など)、結膜炎・眼瞼炎・角膜炎などの目の炎症などもあります。
症状が出る時期は、飲み始めてすぐのこともありますし、何ヶ月か経ってからということもありますから、常に気をつけておく必要があります。
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